日記
「この一杯のために生きている」
力のあるフレーズだ。
本当にそう発言した人の人生の目的が、
一杯の酒でなくとも、
勢いでそう言わしめるほどの、
一瞬の快感がそこにはあるのだろう。
私には酒が飲めないから、
それがわからない。
仕事終わりのビールを楽しみに、
困難を乗り越えるということができない。
代わりのものは、何かないか。
と、
思い、
周りを見渡すも……………
ない。
生きる目的にできるもの、
その場をやり過ごすだけの力を持ったもの、
どちらも私には、ないのだった。
ない割に、継続して人生をしている。
このことが、
いかにたくましくしぶとくあさましくあることか。
誇らしくとつけようと思ったが、やめた。
何がどうあっても私は私が生きていることを誇らしく見ない。
誰かがそう見たとして、私は見ない。
ただ、自分で思っているよりこんぶ一切れ分くらい、私は強いな。